『47原則』思い通りにならないと思っている人は、そう「思っている」からだ

『47原則』思い通りにならないと思っている人は、そう「思っている」からだ

ここで一旦、ぼくの人生で非常に役に立った心得を紹介したいと思います。これは【47原則】では触れていない、別のものであるからブログでしか読むことができないです。でも、「47原則ができるまで」の中で紹介したいのには訳があります。

高校生二年生のある頃まで、ぼくは今よりも物事を割と悲観的に捉えてしまう傾向にありました。「できない」とか「できる人はべつ」とか「頭良い人はずるい」とか、その代表的な例ができないこと、悪かった結果に対して、「でも…」で弁明することでした。

例えば、数学のテストが思ったより出来が悪かったときに親に注意されると、「でも、想定範囲外の質問を先生が沢山だしたんだ。だからしょうがないよ」とか。なにかと失敗したときにいいわけを探し、「でも、ぼくじゃない、何か、誰か、が悪い」と圧倒的に自分じゃないものを批判していました。もちろん、こんな癖があったなんて毛頭気づきませんでした。

世の中一般ではこれを「いいわけ」と言うと思います。いいわけは、自分の弱みを正当化してしまう、非常に厄介な考え方だと思います。つまり、今ぼくができないのには正しい理由がある、を良しとしてしまう足枷なのです。

そんな高校2年生のある日、でもばっかり言うぼくに嫌気と嘆きと緊急性を感じた父母が「でも禁句」を発令しました。もし「でも」を言うものならば、ひどく怒られました。そして数か月後、この禁句が功を奏し、ぼくの世界からその言葉が消えていきました。

すると、面白いことが起こり始めたのです。「でも」を言わない代わりに「そうですね」ということで、あらゆることが不可能から可能に変わっていったのです。素直に新たな視点で物事をどんどん解決していくのです。大学入試試験も最初に受けたときのスコアが恥ずかしく低かったのですが、「でも」を言わないで頑張っていると頭が良い友人が助けてくれました。そして数か月で点数が数段階あがりました。この発見はぼくの人生の転機になりました。そして色々な場面でぼくに可能性を信じさせてくれました。

「でも」を頻繁に使う人は2つの大きな特徴があります。1つ目は防衛本能が敏感に働く。2つ目は思い込みがはげしく、頑固であること。

世の中には理不尽で不公平なことが沢山起きている。個人のレベルでもそういった場合が多い。だが、その起こっている現実と自分とのギャップを、即ちほしいものを手にれている人とそうでない人を比較すると、この簡単なセオリーを守っているかそうでないかに集約されるように最近は思えてくる。

この経験でもう一つ大変大きな収穫がありました。それは自分の言動や巧言には至極注意するようになったことです。これは後になって著書Learned Optimism(オプティミストはなぜ成功するか(フェニックスシリーズ) | マーティン・セリグマン著)に出会い、仮設が確信へと変わったのですが、人生を凌駕する人は言動に機転を利かせています。この本の概要をさらっと説明すると、著書はなぜ悲観的に考える人はそう考えてしまうのかをわかりやすい文体で紐解いていくれるのです。結局、彼のメッセージは自分で何を言うかに注意しろに集約されます。もし、自転車でコケた場合、ある人は、「どうして私はこんなにバカで運動神経が鈍いのか」と捉え、発するのと、「どうして今回だけあの段差をうまく避けれなかったのか」と捉え、発する人では後に脳へ与える刺激が大幅に変わってしまいます。後者は物事を端的に捉えることができ、失敗や挫折を大げさに捉えない傾向があります。即ち、成功する側の人間になります。これは何も本とか記事の中だけではないということです。日々、考えるときに発する「言葉」そのものがあなたの脳へ刺激を与え、栄養を分けているのです。

社会人になったある日、イギリスとインドを題材にしたコメディー映画を見ました。その映画のタイトルは「The Best Exotic Marigold Hotel」(マリーゴールドホテルで会いましょう・2012年作)その映画の主人公として、父から古いホテルを受け継いだインド人青年がいました。ビジネスが軌道に乗るまでの面白おかしいストーリーをメインとして流れる作品でしたが、素晴らしかったのはその若者が決して弱音を吐かず、あきらめない不屈な精神を持っていることでした。そして、「人生は思い通りになる。思い通りならないのは、思い通りにならないと思っているからだ」というセリフを感動的に表現します。ぼくはそのとき、感動のあまり、「これだ!」と叫びました。そして、一瞬、高校2年生のあの世界へタイムスリップしました。この名言こそがぼくがあの時学んだ「でも」を言わないセオリーなんだな、と。

現在は2016年初夏。そんな高校時代とはかけ離れた一児の父です。でも、今ではなにか新しいことや未開拓な分野に飛び込もうとする時に自分のあの時を思い出し、勇気づけられます(でも、こういう風に使っている)。そして、一つひとつ小さな成功体験を蓄積していく過程において、素直になれるんだと実感します。捻くれた「でも」人間を諦めなかった親には感謝の念が絶えません。娘がいる今は、その気持ちが何倍にも膨れ上がります。

「47原則ができるまで」、ことThe McKinsey Edge発祥の地はアメリカです。そこで本を出そう、沢山の人に読んでもらいたいと思ったからです。はじめは何を考えているのだ?無理だ。頭がおかしいと思いました。英語は日本語同様に操れましたが、参入障壁のことを考えるとありえないと決めつけてしまいます。でも、そのことは考えないようにしよう。やれるとそう信じよう。「そうだよね、自分もできる」とやれる方法を探すのです。そうして高校時代から培ってきたこの信念に付き動かさ、助けられたのだと思います。

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シュウ ハットリ

シュウ ハットリ

経営コンサルタント。カナダ・マギル大学商学部卒業、政府奨学生として国立台湾大学卒業(経営学修士)。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2015年独立。日中を市場とする求人ポータルサイト運営など、ベンチャー設立経験も複数有する。日本語と英語を母国語とし、中国語も堪能。初の著書として、米国にて2015年11月に『The McKinsey Edge』(マグロウヒル社)を刊行、2016年7月7日に本人完訳による邦訳版も刊行。 Shu Hattori is an author of a global-selling book called The McKinsey Edge (McGraw-Hill Publishing), which helps give practical tips for successful career to leadership. The success principles outlined in the book are based on his own personal experiences while at McKinsey and insights he acquired from other leaders. It has been translated into Japanese and Spanish.
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